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革ジャンをクリーニングに出す時の15のチェックポイント

革ジャンをクリーニングに出す時の15のチェックポイント

革ジャンの定期的なお手入れやクリーニングは必要です。

日頃、自分でお手入れしていても限界があります。

そんなときは、革ジャンをクリーニングに出してみても良いかと思います。

しかし、革のクリーニングは特殊な作業となります。

トラブル防止のためにも、チェックポイントをよく確認し、安心してクリーニングを利用しましょう。

革ジャンクリーニングなぜするの

このページをご覧いただいた方は、革ジャンをクリーニングに出そうと思っている方かと思います。

まずはクリーニングに出す前に、クリーニングに出す『目的』『改善したい要望』『困っていること』をよく考えてみましょう。

革ジャンのクリーニングでよくある目的をまとめてみました。

革ジャンをクリーニングに出す目的

  • カビが生えてしまった。
  • 汚れ・シミが付いてしまった。
  • スレて革の色が落ちてきた。
  • 日焼けして色あせた。
  • 汗のシミや臭いが気になる。
  • 人に譲ってもらった。
  • 一度も手入れしていなかった。
  • 自分で洗って失敗した。

皮革製品は簡単なお手入れであれば、自分で出来ます。

しかし、自分でのお手入れでも限界はありますし、失敗も怖いです。
状態をよく確認し、上手にクリーニング店を利用するのが良いかと思います。

クリーニングに出す前のチェックポイントは『10+5』

クリーニング前のチェックポイントとして、『品物のチェック 10個』、『クリーニングの確認事項 5個』をピックアップしました。

内容をよく理解し、トラブルなく、気持ちよくクリーニングを利用しましょう!

革ジャンクリーニングに出す前のチェックポイント【品物編】

実際にクリーニングに出す前に、持っている革ジャンの状態をよく確認しましょう。

当然、クリーニング店でも下記の事項は確認してくれますが、自分でチェックすることで、クリーニングのトラブルはかなり減ります。

下記の事項で確認したことは、クリーニング店に伝えて、情報を共有しましょう。

革ジャンのシミ

 汚れ・シミの有無

シミや汚れはご自身が一番良く知っています。

気づかないシミ・汚れも記憶をたどれば、原因がわかるかもしれません。
また、いつ付いた、何のシミか、その時どのように処置したかを確認してください。

クリーニングやシミ抜きの作業をするときに、重要な情報となりますので、クリーニング店に伝えてください。

 カビの有無

革製品の固形分は、ほとんどがタンパク質で形成されています。
革ジャンはカビにとって栄養のかたまりです。

空気中の菌、シミ汚れ、ホコリや皮脂そして湿度の多い状況によってカビは発生します。

表面はもちろん、裏地などにカビが潜んでいる可能性があります。

カビの臭いなどよく確認しましょう。

カビが出たら、皮革製品は縮んでいる

カビが発生しますと、全体に水分を吸水しているため、革が収縮・硬化しています。

カビがある状態では、クリーニング前に袖を通さないため、縮みに気づきにくいかと思います。

事前によく観察し、カビの有無や縮みの特性を理解する必要があります。

カビによるシミ

カビの発生直後はクリーニングで除去することが出来ます。

しかし、時間が経ちますと、カビの根が内部組織に浸透し、組織を変質させ、クリーニングしても取り除くことができなくなる場合もあります。

革のクリーニング専門店では、染め直しをしてカビのシミ跡を目立たなくする方法もあります。

 

 日焼け・色あせの有無

光による革の日焼け・色あせの原因は、紫外線です。

紫外線は直射日光(太陽光線)の他にも、蛍光灯・室内灯にも含まれるため、室内でも変色は起きます。

これは、皮革製品着色に使われた染料が酸化し、壊れてしまうため、色が薄くなってしまいます。

また、ナチュラルな革は革の油脂分が酸化し、色が濃くなり日焼けとなります。

革ジャンの場合は、ハンガーに吊った状態で保管し、肩から袖にかけて、日焼け・退色していることが多いです。

革ジャンの日焼け

 スレ・色ハゲ・キズの有無

皮革製品は擦れたり摩擦によって、革の色が落ちます。

革ジャンで注意するポイントは、そで口、襟、両肩、すそなどです。

そで口、襟、すそはよく擦れる部分です。
両肩は肩掛けバッグのベルト摩擦によって色落ちします。

革の色ハゲや日焼け変色は、専門店であれば『革の色修正・染め直し』で修復できます。

 ボタンの有無・ファスナーの動き

革ジャンのボタンやファスナーは、しっかりしたものが使われておりますが、衣類とは違い、各パーツに負荷がかかりやすく、欠損や破損もあります。

ボタンの取り付け糸の緩みや、ファスナートップ(ファスナーつまみ)の欠損を確認しましょう。

また、ファスナーはサビや汚れによって、動きが悪くなることもあります。
チャックの開閉具合なども合わせて確認する必要があります。

 エリの汗・化粧・変色の有無

エリ部分は肌が直接触れることで、汗や皮脂汚れ、化粧などが付きやすいです。

汗のシミや皮脂分は時間が経つと革が変色してしまいます。

女性の場合は、襟回りにファンデーションや日焼け止めクリームなどのシミが付くこともあります。

襟の汚れ

 ポケットの忘れ物・裏地の破れ

ポケットにペンやガムなど忘れ物がないか、よく確認しましょう。

また、革ジャンの裏地のキュプラ生地やキルティング生地は摩擦によって薄くなったり、破れることもよくあります。
裏地をひっくり返して見てみましょう。

ポケット内の裏地もヤブレやホツレがないか要確認です。

 革の縮み

カビが発生していますと、革は縮んでいます。

また、保管中の湿気によって革が収縮することもあります。

裏地と表革の縫製部分や裏地のタルミ、革のシワなどを見て、革の縮みの有無を確認しましょう。

 ヤブレ・脇の汗ジミ

革の引っかき傷や破れなどもよく確認しましょう。

ポケット口の裂けやベルト通しのホツレ・破れなど、クリーニング時に修理依頼することも可能です。

また、脇部分は脇汗によってシミになりやすく、汗の輪染みが付くことがあります。

脇のスレ・摩擦によって裏地が破れたり、革にシワが出来ることがあります。

革の裂け破れ

 糸のホツレ

各所、縫製の糸ホツレや裏地の擦り切れなどを確認しましょう。

その他の確認

上下品は一緒にクリーニング

上下のセットアップ品は、クリーニングによって色調や風合いに異差にならないためにも、一緒にクリーニングに出しましょう。

ベルトなど付属品の有無

ベルトやフード、襟ボア、付属毛皮、ライナーなどの付属品は、できるだけ一緒にクリーニングに出しましょう。

特殊加工の有無

革ジャンによってはヴィンテージ加工、シワ加工、ダメージ加工、汚し加工などさまざまな加工があります。

風合い・質感を維持するためにも、クリーニング店に特殊加工の有無を伝えましょう。

起毛素材の毛羽立ち

スエード、ヌバック、ムートン、ハラコなど起毛素材の毛羽立ち、毛抜けの確認。

革ジャンクリーニングに出す前のチェックポイント【クリーニング編】

皮革クリーニングは一般クリーニングと違い、お品物によってはクリーニング後に、様々な変化が起こることがあります。

革クリーニングとして一般的な確認事項をよく理解し、革やクリーニングの特性を知っておきましょう。

これらは、クリーニング前の了承事項として、クリーニング後のクレーム、賠償対応は難しいことを理解しましょう。

革ジャケットのクリーニング作業

 質感・風合い・色調の変化

質感・風合い・色調が変化する場合があり、品物の縫い目を堺に、パーツごとの変化の仕方にばらつきが出ることがあります。
特に豚革製品は顕著です。

また、仕上げ工程に『色補正(色かけ)』を行うことで、仕上がりが購入時や依頼時とは異なる場合があります。

そのため、上下のセットアップ品、ベルト、フードは必ず一緒に出しましょう。

 縮み

クリーニングによって3%程度縮む場合があります。
(例:80cmの3% ⇒ 2.4cm)

また、カビの生えているものは必ず縮んでいます。

最大限の修正努力をしますが、カビの生える前の寸法には戻りません。

革は縮む特性があります

革製品は動物の皮から各加工を経て、革ジャンなどの革衣類となります。

その工程途中で温度をかけ、引き伸ばす作業をします。
また、革の伸び縮みは生体の繊維の流れ・向きによっても変わってきます。

皮革製品は収縮する特性があることを知っておきましょう。

なお、革は収縮性があるので、着用し続けると、身体に馴染んでくるという特徴もあります。

 

 シワ・キズ

動物が生きていた時の皮膚のシワや血管跡、ケガを負った時のキズ跡・虫刺され跡など、クリーニング後に目立ってくる場合があります。

 汚れ・シミ・カビ

皮革内部に浸透した汚れ・シミ・カビは取り除けない場合もあります。

最大限努力をいたしますが、購入時のようには戻りません。

品物によっては色の修正・染め直しで、見栄えを改善することが出来ます。

 色移り

2色以上の革を使用してある革や、キャンバス・ナイロンなど異素材との組み合わせのものは、色が出て色移りしたり、シミになったりすることがあります。

革ジャンでは、革からワッペンや刺繍、裏地への色移りなど考えられます。

その他の確認

納期

革製品のクリーニングはいくつもの工程を行うため、時間がかかります。

一般的な革ジャンクリーニングで約3~6週間の納期です。

着用時期など考え、余裕をもって早目にクリーニングに出しましょう。

合成皮革・コーティングの劣化

合成皮革は、織物や編物の基布にポリウレタン樹脂などをコーティング(塗布)したもので、外観上、革に見せている素材です。

このような素材は経時変化・劣化が起きやすく、ベタつき、剥がれ、ヒビ割れが起きます。

製品を製造してから2年以上経過している場合には、購入の時期に関係なく樹脂の劣化が進行しており、クリーニング処理で剥離等が生じる可能性があります。

 

色修正した場合の注意事項

色修正・染め直しは、皮革を同色に染めることで、シミや汚れ、色ハゲなどを染め隠す方法です。

染色担当者が、革ジャンの状態や素材に最適な色調に合わせて染色します。

しかし、品物によっては風合い・質感・手触り・色調が変化する場合もあります。

革ジャンの染め直し

革の臭い

革(生体)本来の臭いやなめし工程の臭いなどは、除去が難しいと思われます。

カビ臭やタバコ臭などは、洗浄や消臭などによって除去することもできます。

プリント・装飾品

プリント加工やスタッズ・スパンコールなどの装飾品は洗浄によって、剥離・欠損・劣化の可能性があります。

事前によく状態を確認し、損傷具合等をクリーニング店に伝えましょう。

ヴィンテージ品・オリジナル品

ヴィンテージ品やアンティーク加工品など、一見汚れやダメージに見える場合もあります。

特殊な加工や革の味わいがあるものなど、事前にクリーニング店に伝えましょう。

ウイルスや嘔吐物

ウイルスや嘔吐物・し尿などの汚物など、感染症を起こす病原体に汚染されたものや、汚染のおそれのある品物は、一般クリーニング店では受付できません。

メーカー・製造者による不具合

クリーニングのトラブルとして、アパレルメーカーや販売業者による責任の場合もあります。

洗濯ラベルの表記ミス、著しい染色不堅牢による色移り・変色、不適当な縫製のホツレなどの事例があります。

革ジャンクリーニングを安心して利用しましょう

革ジャンをクリーニングに出す前には、上記の『品物のチェック 10個』、『クリーニングの確認事項 5個』を確認しましょう。

また、クリーニング店には、気になる点、改善したい点などの要望と、ホツレや破れなどの注意箇所を伝え、お互いが情報を共有することによって、トラブルのない、気持ち良いクリーニングが利用できます。

また、不明点や気になる点など質問し、不安をなくすことによって、安心して革ジャンのクリーニングを利用しましょう。

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